行政書士の主な業務の1つに、「許認可申請業務」があります。今回は、この業務について詳しくまとめます。
・行政書士に興味がある方
・行政書士に業務について知りたい方
・行政書士試験を受験する方
・行政書士試験に合格した方
行政書士の業務内容
行政書士の業務内容は大きく2つに分類されます。
・許認可申請業務
・民事法務業務
「民事法務業務」とは、一般的な生活における法的事務を指します。いわゆる「街の法律家」としての業務です。この業務については、行政書士の民事法務業務とは?でまとめていますので、ご覧下さい。
今回は、「許認可申請業務」に焦点を当てます。
「許認可申請業務」とは、官公庁への各種許認可申請を行う業務のことです。「許認可」とは、特定の事業を行うために必要な手続きのことです。
許認可とは?
日本には、この許認可の数が15000以上あると言われています。行政書士しかできない「独占業務」とされている業務もたくさんあるため、多くの行政書士がこれらの業務を主としています。
許認可には「届出」「登録」「認可」「許可」「免許」の5つの種類があり、業種によって種類や申請先が異なります。例えば、建設業、運送業、飲食店の開業には許可の取得が必要ですが、宅地建物取引業を始めるには免許の取得が必要です。
「許可」と「認可」の違いは?
「許可」は、本来禁止されていることを特別に認めることです。
例えば、飲食店や旅館などの営業、建設業、運送業などがこれに該当します。
一方、「認可」とは、ある人の行為を行政庁が補充して、その法律上の効力を完成させることです。
例えば、私立学校や警備業などがこれに該当します。
「認可」は必要な要件が整っていれば基本的に認められますが、「許可」は行政庁の判断で、要件が備わっていても不許可になる可能性があります。それに行政庁の審査には時間がかかる場合もあります。
主要な許認可手続の業務
行政書士が扱っている主な業務について調べました。(列記した業務以外にも多数の業務が存在します。)
・建設業関係業務(建設業許可申請など)
・農地関係業務(農地転用許可申請など)
・産業廃棄物処理関係業務(産業廃棄物収集運搬業の許認可申請など)
・各種営業許認可手続業務(宅地建物取引業免許申請など)
・風俗関係業務(風俗営業許可申請など)
・車両関係業務(自動車保管場所証明申請など)
・国際関係業務(在留資格認定証明書交付申請など)
・環境衛生関係業務(飲食店営業許可申請など)
・その他の許認可業務(プログラム著作権登録申請など)
・公的補助金、助成金の受給申請業務(小規模事業者持続化補助金など)
以上のように、数多くの許認可手続が存在しています。
そして、特に許可や認可については、申請すれば必ず取得できるとは限りません。
条件を満たしたとしても、行政庁の判断によって許可されないこともあります。
必要な書類に不備があると、もちろん許認可が受けられません。
だからこそ、不備をなくし、許認可を確実に取得するために、行政書士のような専門家に依頼するのです。
許認可申請業務のポイント
それぞれの業務によって具体的な内容は異なりますが、全てに共通するポイントがあります。
・人的要件(ヒト)
・物的用件(モノ)
・財産的用件(カネ)
基本的には、この3つの要件を書面等で証明するのが許認可申請業務です。
許認可申請業務の報酬
行政書士の報酬について調べてみました。
行政書士の報酬額については、各々が自由に定め、事務所の見やすい場所に掲示することになっています。
日本行政書士会連合会では、報酬額について、5年に1度全国的な報酬額統計調査を実施しています。
詳しくは、こちらの日本行政書士会連合会のサイトをご覧下さい。
この統計調査の令和2年度の平均報酬額についてまとめました。
・建設業許可申請(法人・新規)知事:137,618円
・宅地建物取引業者免許申請(新規)知事:112,535円
・宅地建物取引士資格登録申請:25,452円
・自動車登録申請(継続):5,735円
・深夜酒類提供飲食店営業開始届出:87,628円
・古物商許可申請:53,585円
・障害児通所支援事業指定申請:216,647円
・飲食店営業許可申請 :47,251円
・在留資格認定証明書交付申請(就労資格):113,881円
・永住許可申請:131,527円
取得の難易度が高いものや、時間がかかるもの、専門性の高いものなどは、高額な報酬になります。
まとめ
今後、この許認可申請はデジタル化によって、ますます変化していくことが予想されます。また、AIの進化により、だれもが申請書を作成できるときも来るかもしれません。
しかしながら、これだけの数の許認可業務があり、中にはとても複雑なものもあります。今後も許認可申請業務は行政書士にとってのメイン業務となるでしょう。
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