興行ビザ取得までの流れと必要な時間:申請のポイントとスケジューリングの重要性

日本でイベントや公演を開催する際、外国からアーティストやパフォーマーを招へいする場合、適切なビザ(この記事では在留資格のことを言います)を取得することが不可欠です。中でも、興行ビザはイベントの成功に直結するため、スムーズな申請手続きと適切なスケジューリングが重要です。しかし、現実にはイベント開催までのスケジュールがタイトで、余裕のない状況でビザ申請を行うケースも少なくありません。この記事では、興行ビザを取得するまでに必要な時間と、申請のポイントについて詳しく解説します。

うつのみや
この記事は、こんな方におすすめ!
・興行ビザ取得までにいったいどれだけの時間がかかるか知りたい方
・入国希望日までに本人は来日できるか知りたい方
・興行ビザ取得を考えている方
興行ビザ
在留資格「興行」

 興行ビザ取得に必要な手続きと時間

1.1 興行ビザの審査を行う2つの機関

興行ビザを取得するためには、2つの主要な機関での審査をクリアする必要があります。これらの機関は、日本国内の出入国在留管理局と、外国にある日本の在外公館(大使館や領事館)です。

出入国在留管理局(日本国内)

日本国内にある出入国在留管理局は、まず外国人が日本に入国するために必要な「在留資格認定証明書(COE)」の発行を行います。この審査では、当該イベントが興行ビザの要件を満たしているかどうかを中心に、書類の正確性や内容が厳しくチェックされます。

在外公館(日本国外)

次に、外国にある日本の在外公館である大使館や領事館へ「在留資格認定証明書」を提出します。そこで、現地の情報や過去の記録を元に、外国人が日本に入国しても問題がないかを審査します。この審査を通過すると、外国人のパスポートに査証(ビザ)が発給されます。査証(ビザ)の発給は、パスポートにステッカー状の査証が貼り付けられます。

1.2 標準処理期間と実際の審査時間

法務省によると、在留資格認定証明書交付申請の標準処理期間は「1か月から3か月」とされています。これに対し、在外公館でのビザ発給には通常5営業日がかかります。ただし、これはあくまで目安であり、審査内容や申請者の状況によってはさらに時間がかかる場合もあります。

興行ビザの審査期間を左右する要因

2.1 過去の申請実績と外国人の出入国歴

出入国在留管理局の審査期間は、申請者(招聘会社や招聘人)の過去の申請実績や、外国人の出入国歴によって異なります。例えば、過去に興行ビザを申請した経験があり、その審査を問題なくクリアした会社や個人であれば、審査期間が短縮されることがあります。逆に、初めて申請を行う場合や、外国人の出入国歴に問題がある場合は、審査に時間がかかることが予想されます。

2.2 興行ビザ審査の特殊性

興行ビザには他のビザとは異なる特殊性があります。例えば、興行ビザの審査を行う「就労審査第二部門」は、一般的な就労ビザよりも迅速な審査を行っています。しかし、これはすべてのケースに当てはまるわけではなく、特に初めて申請する場合や、イベント開催までの時間が短い場合には、十分な余裕を持ったスケジューリングが必要です。

スケジューリングの重要性と注意点

3.1 スケジュールの組み方

興行ビザの取得を円滑に進めるためには、早めの準備と計画が欠かせません。特に、初めて興行ビザを申請する場合や、イベントの開催までに余裕がない場合は、以下の点に注意してスケジュールを組むことをお勧めします。

  • 事前調査: まず、興行ビザが必要かどうかを確認し、申請手続きに必要な書類や情報を早めに準備することが重要です。
  • 申請時期の調整: 出入国在留管理局の標準処理期間を考慮し、申請はできるだけ早めに行いましょう。また、在外公館での審査も考慮に入れ、ビザが発給されるまでの全体的なスケジュールを把握しておくことが大切です。
  • 書類の正確性: 提出する書類には不備がないようにし、必要な情報を網羅することが求められます。特に、契約書やイベントの詳細については、内容が明確であることが重要です。

3.2 審査のスピードアップを期待しない

多くの申請者が、できるだけ早く審査を終えたいと考えますが、実際には審査を急がせることはできません。特に、過去の申請実績がない場合や、他のビザ審査と比較しても審査期間が短いことから、1か月以内の結果を期待するのは現実的ではありません。

実際の事例と注意喚起

4.1 興行ビザが間に合わずに公演が中止された事例

2018年には、韓国のアーティストたちが日本での公演を予定していましたが、興行ビザの発給が間に合わず、直前に公演がキャンセルされるという事態が発生しました。これらの事例からも分かるように、出入国在留管理局や在外公館の審査は迅速に進むとは限らず、十分な時間を持って準備することが重要です。

4.2 自己申請のリスク

自己流での申請は、書類に不備が生じやすく、出入国在留管理局からの追加資料の提出要請や審査の遅延を招く可能性があります。これにより、計画していたイベントが実現できないリスクが高まります。特に、初めての申請や複雑なケースでは、専門家のサポートを受けることが望ましいです。

興行ビザ取得の流れと期間まとめ

標準的な興行ビザ取得の流れは以下の通りです。

  1. 出入国在留管理局への申請: 最初に在留資格認定証明書(COE)の申請を行います。この段階での審査期間は、過去の実績や申請内容により異なりますが、通常1か月から3か月かかります。
  2. 在外公館での審査: 在留資格認定証明書が発行された後、現地の日本大使館または領事館でビザ(査証)の申請を行います。この審査には通常5営業日がかかります。
  3. ビザ(査証)発給と入国: 審査が完了しビザ(査証)が発給されると、招聘された外国人はビザ(査証)が貼付されたパスポートと在留資格認定証明書を持って日本に入国します。

これらのプロセスを考慮すると、イベント開催までの期間に余裕を持って申請を進めることが重要です。また、ビザ申請には予測できない要因が関与するため、計画通りに進まない可能性も考慮しておく必要があります。

行政書士トラスト事務所のサポートサービス

行政書士トラスト事務所では、興行ビザの申請手続きを進めるお手伝いをいたします。お客様の状況やご要望に応じて、最適なサポートを提供し、ビザ申請に関するすべての不安やリスクを最小限に抑えるよう努めています。初めての申請や、スケジュールに余裕がない場合でも、ぜひご相談ください。私たちがあなたのイベント成功を全力でサポートいたします。


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