日本に住んでいる外国人の方で、このような疑問・意見はありませんか?
・外国人なのに年金を払わなければいけませんか?
・自分の国でも年金を払っているのに、日本でも年金を払わなければいけませんか?
・ずっと日本にいないのに年金を払うのはもったいないです!
・年金を払っているけど、国に帰ることになりました。払った年金は戻ってきますか?
今回は、日本に住んでいる外国人の年金についてまとめました。
※今回の記事は、外国人の方も読みやすいように、できるだけ”やさしい日本語”で書いています。
日本の年金システム
日本に住んでいる20歳~60歳までの人は、みんな日本の年金システムに入らなければいけません。
この年金システムは、毎月お金を国に払います。
そして、おじいさん・おばあさんになったとき、国からお金をもらうシステムです。
また、おじいさん・おばあさんになったときだけではありません。
たとえば、こんなときも国からお金をもらうことができます。
例1)事故で足にとても大きい怪我(けが)をしたとき(難しい日本語ですが、”障害者(しょうがいしゃ)《person with disabilities》”になったとき)
例2)保険料を払っている外国人が亡くなったとき(このときは、その家族がお金をもらうことができます)
詳しいことは、こちらのWebサイトに書いています。いろいろな国の言葉で説明を読むことができますよ!
To non-Japanese people living in Japan Japan’s Public Pension System 【Japan Pension Service】
日本の年金の種類
日本の年金は大きく3つの種類がありますが、外国人の方に関係する2つの年金を紹介します。
①国民年金(こくみんねんきん)《National pension》
これは、基礎年金(きそねんきん)《Basic pension》といいます。
日本に住んでいる20歳~60歳までの人が、みんな入ります。
②厚生年金(こうせいねんきん)《Welfare pension》
これは、会社員の年金です。
会社員は、国民年金と厚生年金の2つのシステムに入ります。
もらうことができる年金の種類
・老齢基礎年金(ろうれいきそねんきん)《Old-age Basic Pension》
10年(120か月)以上、保険料を払った人が、65歳になったとき、もらうことができます。
・障害基礎年金(しょうがいきそねんきん)《Disability Basic Pension》
保険料を払っている人が、大きな怪我(けが)をしたときにもらうことができます。
・遺族基礎年金(いぞくきそねんきん)《Survivors’ Basic Pension》
保険料を払っている人が、亡くなったとき、その家族がもらうことができます。
詳しいことは、こちらのWebサイトに書いています。いろいろな国の言葉で説明を読むことができますよ!
Japanese National Pension System 【Japan Pension Service】
外国人なのに年金を払うの?
外国人も、日本に住んでいて20歳~60歳の場合、年金の保険料を払わなければいけません。
日本の年金システムは、国籍《nationality》は関係ありません。
日本に住んでいる人は、みんなこのシステムに入ります。
お金がないから払えません!
お金がなくて、保険料を払うのが難しい人のために、
「学生納付特例(がくせいのうふとくれい)《the Special Payment System for Students》」や
「免除(めんじょ)《Contribution Payment Exemption System》」があります。
詳しいことは、こちらのWebサイトに書いています。
・学生の人:
Application for National Pension Contribution Special Payment System for Students 【Japan Pension Service】
・学生じゃない人(会社員じゃない人):
Application for National Pension Contribution Exemption/Payment Postponement 【Japan Pension Service】
自分の国で年金を払っているとき
自分の国で年金の保険料を払っている外国人が、日本に住んでいるとき、日本の年金の保険料も払わなければいけません。
2つの年金の保険料を払うのは、大変ですよね。それに、ずっと日本にいないのに・・・。
そんな問題を解決するために、「社会保障協定(しゃかいほしょうきょうてい)《Social Security Agreements》」があります。
詳しいことは、こちらのWebサイトに書いています。
社会保障協定《International Social Security Agreement》【Japan Pension Service】
社会保障協定(しゃかいほしょうきょうてい)とは、簡単に言うと、
日本といろいろな国との年金システムなどについての約束です。
約束には、いろいろなルールがあります。
たとえば・・・
・日本に住むのが5年以下の人は、自分の国の年金だけ入る
・日本に住むのが5年以上の人は、日本の年金だけ入る
・自分の国の年金保険料を払った期間と日本の年金保険料を払った期間を合わせることができる
などなど。
詳しいことは、こちらのWebサイトに書いていますから、知りたい人は見てください。
Mechanisms and procedures of the social security agreements 【Japan Pension Service】
とても複雑ですね。もし難しい場合は、専門家に相談しましょう!
日本と約束していない国から来た人は?
では、日本と社会保障協定の約束をしていない国から来た外国人はどうしたらいいのでしょうか?
実は、この問題を解決するために、「脱退一時金(だったいいちじきん)《Lump-sum Withdrawal Payments》」というシステムがあります。
これは、社会保障協定の約束をしている国から来た外国人の方も使うことができます。
脱退一時金とは
日本の年金保険料を払っていた人が、自分の国に帰るなど、日本を離れるときにもらうことができるお金です。
この脱退一時金をもらうためには、いくつかルールがあります。
・日本国籍を持っていない
・年金の保険料を6か月以上払っている
・障害年金などの年金をもらったことがない
・日本を出てから2年以内に請求する
脱退一時金は、どのくらい年金保険料を払っていたかによって、金額が変わります。
詳しい手続きの方法を知りたい人は、こちらのWebサイトを見てください。いろいろな国の言葉で説明を読むことができますよ!
脱退一時金/日本からはなれるときにもらうことができるお金/Lump-sum Withdrawal Payments【Japan Pension Service】
でも、この脱退一時金をもらうときに注意することがあります。
社会保障協定の約束をした国から来た外国人の場合:
脱退一時金をもらうと、日本で払っていた年金の保険料は”払っていない”ことになります。ですから、その期間は、自分の国の年金システムと合わせることができません。
これについても、上のWebサイトで説明がありますから、よく読んでください。
また、日本の年金について、もっと知りたい人は、こちらのWebサイトを見てください。
日本年金機構《Japan Pension Service》外国人のみなさま/International
今回は、日本に住んでいる外国人の年金について書きました。
年金のシステムは難しいので、手続きが分からない人は、専門家に相談しましょう!
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