ニュース:新しい省令「留学生」の教育機関の体制について

日本の大学や専門学校などで留学するために必要な「留学」の在留資格に関して、最近大きな変化がありました。これは、留学生が安心して学べる環境を整えるための重要な一歩です。この記事では、その背景と新しい規制について詳しくまとめます。
▷参照:在留資格「留学」とは?

背景:行方不明になる留学生問題

5年前、都内の一部の大学で1600人を超える留学生が行方不明になるという深刻な問題が発覚しました。この事態は、日本の教育機関の受け入れ体制に大きな問題があることを浮き彫りにしました。留学生が行方不明になる原因は多岐にわたりますが、主な理由の一つは教育機関側の管理不足であり、留学生の安全と安心を確保するための改善が求められていました。

新しい省令の改正

この問題を受けて、日本政府は2024年4月下旬に省令を改正しました。新しい省令では、教育機関が留学生を適切に管理できていない場合には、在留資格を認めないことが明確に定められました。

管理体制の強化

新しい規制では、留学生を受け入れるすべての教育機関に対して、以下の事項を適切に把握する体制を整備することが求められています。

出席状況の管理
留学生が授業に出席しているかどうかを厳密に管理する。

アルバイトの状況の把握
留学生が適切な範囲内でアルバイトを行っているかを確認する。

違反があった場合、教育機関には指導が行われ、改善が見られるまで「留学」の在留資格が付与されません。

日本語教育機関の認定

さらに、日本語を学ぼうとする留学生については、国から認定を受けた日本語教育機関に入学することが要件とされました。また、研究生や聴講生としての留学の在留資格は認められません。これにより、質の高い日本語教育を受けられる環境が保証されます。

コロナ禍後の留学生数の増加

出入国在留管理庁によると、新型コロナウイルスの影響で一時期留学生数は大幅に減少しましたが、最近では水際対策の緩和により、コロナ禍前を上回る16万7000人余りの留学生が日本を訪れています。今回の規制改正により、さらに安定した留学生の受け入れが期待されています。

留学生にとってのメリット

今回の規制改正により、留学生にとっての主なメリットは以下の通りです。

・学業への専念:厳格な出席管理により、学業に集中できる環境が整います。
・安全の確保:適切な管理体制が整うことで、行方不明になるリスクが減少します。
・質の高い教育:認定を受けた教育機関での学びが保証されます。

まとめ

今回の省令改正は、日本の教育機関と留学生の双方にとって大きな変化となります。教育機関側には適切な管理体制の整備が求められ、留学生には安心して学べる環境が提供されます。このような取り組みが、日本の教育の質を向上させ、留学生にとって魅力的な学びの場を提供することに繋がることが期待されています。