背景と必要性
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う水際対策終了後、外食需要は回復傾向にあり、今後5年間も増加が続くと予想されます。しかし、外食業では客の好みに応じた柔軟な対応や手作り感、ホスピタリティが求められるため、機械化には限界があります。
令和4年度の外食業の有効求人倍率は非常に高く、人手不足が深刻です。特に観光地や大都市圏以外の地域で人手不足が顕著です。また、平成30年の食品衛生法改正により、HACCPに沿った衛生管理が全ての飲食店に求められ、衛生管理の知識を持つ人材の確保が急務となっています。
令和10年度には481万人の就業者が必要ですが、予想される就業者数は455万人で、25万人が不足すると見込まれています。この人手不足に対応するためには、即戦力となる外国人労働者の受け入れが不可欠です。
特定技能「外食業」の概要
特定技能「外食業」は、レストランなどのホール業務から調理スタッフなど、外食業とその関連業務に従事することが可能となります。
【2号】
- 外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)及び店舗経営
2号特定技能外国人は、試験等で立証された能力を用いて外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)及び店舗経営の業務について、トータルで管理できる人材として、従事することができます。なお、たとえば、店舗経営・管理業務を主として従事し、接客、飲食物調理を行うことも可能です。具体的には、以下の業務があります。
店舗経営:舗の経営分析、経営管理、契約に関する事務等店舗をトータルで管理するために必要な上記1号(1)~(3)の業務以外のもの
なお、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(店舗において原材料として使用する農林水産物の生産、店舗における調理品等以外の物品の販売等)に付随的に従事することは可能です。
対象となる事業所の範囲とは?
外食業分野の特定技能外国人を受け入れる事業者は、 飲食店、持ち帰り飲食サービス業、配達飲食サービス業、給食事業等の飲食サービス業を行っている事業所が対象となります。例えば、以下のような事業所です。
(1)客(※1)の注文に応じ調理した飲食料品,その他の飲食料品をその場で飲食させる飲食サービス業(例:食堂,レストラン,料理店等の飲食店,喫茶店等)
(2)飲食することを目的とした設備を事業所内に有さず,客の注文に応じ調理した飲食料品を提供する持ち帰り飲食サービス業(例:持ち帰り専門店等)
(3)客の注文に応じ,事業所内で調理した飲食料品を客の求める場所に届ける配達飲食サービス業(例:仕出し料理・弁当屋,宅配専門店,配食サービス事業所等)
なお、特定技能「外食業」の外国人が、業務内容のうちの一つとして、デリバリー業務を行うことは可能ですが、調理も接客もないデリバリーのみの業務に従事することはできません。
(4)客の求める場所において調理した飲食料品の提供を行う飲食サービス業(例:ケータリングサービス店,給食事業所等)
※1 「客」とは、飲食料品を消費する者(注文や受取りについて、代理の者を介する場合も含む。)
◇特定技能外国人を受け入れられない事業所、特定技能外国人が従事できない業務とは?
「風俗営業」 及び「性風俗関連特殊営業」を営む営業所においては、外食業分野の業務であっても、特定技能外国人を就労させることはできません。
受入れ企業の要件
特定技能外国人を雇用する企業は、以下の条件を満たすことが求められます:
① 特定技能所属機関は、特定技能外国人に対して、風俗営業法第2条第1項に規定する風俗営業及び同条第5項に規定する性風俗関連特殊営業を営む営業所において就労を行わせないこと。
② 特定技能所属機関は、特定技能外国人に対して、風俗営業法第2条第3項に規定する「接待」を行わせないこと。
③ 特定技能所属機関は、農林水産省、関係業界団体、登録支援機関その他の関係者で構成される「食品産業特定技能協議会」(以下「協議会」)の構成員になること。
④ 特定技能所属機関は、協議会に対し、必要な協力を行うこと。
⑤ 特定技能所属機関は、農林水産省又はその委託を受けた者が行う調査等に対し、必要な協力を行うこと。
⑥ 特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託するに当たっては、協議会の構成員となっており、かつ、農林水産省及び協議会に対して必要な協力を行う登録支援機関に委託すること。
⑦ 特定技能所属機関は、特定技能外国人に対するキャリアアッププランのイメージをあらかじめ設定し、雇用契約を締結する前に書面を交付して説明すること。
⑧ 特定技能所属機関は、特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明する書面を交付すること。
なお、当事務所の代表は日本語教師歴10年以上の経験を持ち、日本語研修やマナー研修を行うことが可能です。外国人労働者の方々が円滑に業務に取り組めるよう、お手伝いできればと考えております。ご依頼やご相談は、下記のコンタクトフォームからお気軽にお問い合わせください。