【はじめての自動車登録】自動車登録とは?

自動車登録のブログ

行政書士の主な業務の一つである自動車登録関係。これから、【はじめての自動車登録】と題して、初めて自動車登録や車庫証明をされる方向けに、記事を書いてまいります。実際の法令上の文言と表現が異なる箇所もあるかもしれませんが、自動車についてあまり詳しくない方向けに、わかりやすい言葉で書いています。今回は、その自動車登録の概要として、普通自動車と軽自動車の違いや車検証、自動車の主な手続きや必要書類について紹介します。

うつのみや
この記事は、こんな方におすすめ!
・はじめて自動車の手続きをする方
・新人行政書士の方
・自動車登録に興味がある方

普通自動車と軽自動車の違い

結論から言うと、両者の違いはサイズと排気量です。

軽自動車のサイズと排気量
・長さ:340m以下  ・幅:148cm以下  ・高さ:2m以下  ・排気量:660cc以下
上記のどれか一つでも基準を超えた場合、軽自動車ではなく、普通自動車となります。(電気自動車のモーターの場合、出力制限はありません。)
※なお、この記事の「普通自動車」とは、登録自動車のことを指します。

ナンバープレートが違う

基本的なナンバープレートの色は以下のとおりです。
・普通自動車(自家用):白色  ・軽自動車(自家用):黄色
・普通自動車(事業用):緑色  ・軽自動車(事業用):黒色
最近は、地方版図柄入りナンバープレートも普及してきました。街中を運転していると、よく見かけるようになりましたよね。図柄入りナンバープレートのデザインは同じですが、軽自動車には黄色の縁取りがあるため、わかりやすくなっています。
ご当地ナンバープレート

分類番号も違う

分類番号とは、上記の写真でいうと、”秋田589”の”589”の部分の数字のことです。この数字は普通自動車と軽自動車で分けられているので、軽自動車かどうか判断に迷った際は、こちらを見るとわかります。
軽自動車の分類番号
480~498  580~598  680~698  780~798
(下一桁がアルファベットになる場合ももあります。)

普通自動車の分類番号

10,
100~199
普通貨物自動車 大型トラック 貨物用途に用いられる普通自動車
)大型トラックなど
20~29,
200~299
普通乗用自動車
(定員11人~)
大型バス 乗用で定員11人以上の普通自動車
)マイクロバス、大型バスなど
30~39,
300~399
普通乗用自動車 普通乗用自動車 乗用で定員10人以下の普通自動車
)小型車より大きい乗用車
40~49,
60~69
400~499,
600~699
小型貨物自動車 小型貨物自動車 貨物用途に用いられる小型自動車
全長:4.7m以下、全幅:1.7m以下、全高:2m以下、総排気量:660cc~2000cc
50~59,
70~79,
500~
599,
700~799
小型乗用自動車 小型乗用自動車 乗用で用いられる小型自動車
全長:4.7m以下、全幅:1.7m以下、全高:2m以下、総排気量:660cc~2000cc
80~89,
800~899
特殊用途自動車 パトカー 特殊の用途に用いられる普通自動車及び小型自動車
)パトカー、消防車など
90,
900~999
大型特殊自動車 トラクター 建設機械を除いた特殊な構造を持つ自動車
)大型フォークリフト、トラクターなど
00~09,
000~099
建設機械の
大型特殊自動車
ブルドーザー 大型特殊自動車で建設機械に該当するもの
)ブルドーザー、ロードローラーなど

登録に必要な書類が違う

普通自動車は、持ち主が誰かを明確にする制度があります。そのため、自動車の登録手続きにおいて、普通自動車は印鑑証明書を提出しなければなりません。
印鑑証明書
車検証について
車検証については最近改正が行われて、サイズの変更とICタグ付けが行われました。普通自動車は2023年から、軽自動車は2024年から、この新しい車検証(車検証カード)になりました。

紙タイプの車検証

紙タイプの普通自動車の車検証は2種類あります。それぞれ確認してみましょう。
【Aタイプ車検証】
Aタイプ車検証
▷出典:国土交通省 資料「自動車検査証(車検証見本)」より
このAタイプ車検証は、電子化される前の一般的な普通自動車の車検証でした。現在の所有者の情報が載っていますが、他にも下記のような情報が記載されています。
・自動車登録番号又は車両番号  ・自家用か事業用かどうか
・車名(メーカー名)      ・車体番号(車両を識別する番号)
・型式(車のタイプ)      ・原動機の型式(エンジンのタイプ)
・所有者(車の持ち主)の氏名や住所
・使用者(車を使う人)の氏名や住所(***は、所有者と同じという意味)
・使用の本拠の位置(車を管理するところ、***は使用者住所と同じという意味)
・有効期限(公道を走ってもいい期間)
【Bタイプ車検証】
Bタイプ車検証
▷出典:国土交通省 資料「自動車検査証(車検証見本)」より
このBタイプ車検証は、ローン会社やリース会社などの法人向けの車検証です。Aタイプとの違いは、所有者欄がないところです。Bタイプ車検証では、所有者の情報が備考欄に記載されています。この備考欄に記載された所有者情報は、車検証発行時のもので、所有者の名称や住所に変更があっても車検証の情報を変更する必要がないというメリットがあります。
【紙タイプの軽自動車の車検証】
軽自動車の車検証
▷出典:軽自動車検査協会 軽自動車の車検 ウェブサイトより
普通自動車と軽自動車の車検証の大きな違いは、所有者と使用者の欄が逆になっているところです。初めて見るときは、注意しなければなりませんね。また、右下にあるQRコードには、使用者の氏名や住所の情報が入っています。さらに、軽自動車では、”自動車登録番号”ではなく、「車両番号」と記載されています。

車検証カード

電子車検証制度が始まりましたが、紙のタイプの車検証と様々な違いがあります。例えば、車検証のサイズが小さくなったり、アプリで車検証情報を確認できたりします。
【普通自動車の車検証カード】
車検証カード1
▷出典:国土交通省 電子車検証特設サイト 資料 PDFより
紙タイプの車検証との違い
記載されていない情報所有者の氏名や住所、使用者の住所、使用の本拠の位置、有効期限
車検証カードに印字されていない情報を見るには?
車検証カードに記載されていない情報を確認するには、ICタグに入っている「自動車検査証記録事項※1)」を見ます。これは、車検証閲覧アプリで確認することができます。確認する際に、車検証カードに記載されている4桁の暗証番号が必要となります。
▷参照:車検証閲覧アプリのインストールは、こちらの電子車検証特設サイトから行えます。
車検証カードに印字されていない部分に変更があった場合
たとえば、使用者の住所が変更になった場合など、車検証カードの表面に記載されていない情報に変更があったとき、運輸支局等に行かずに、更新ができる場合があります。この更新ができるのは、運輸支局等から委託を受けた記録等事務代行者(例:ディーラー、整備工場、行政書士事務所など)です。
※1 自動車検査証記録事項とは?
A4縦のレイアウトです。以前の紙タイプの車検証を縦にしたイメージですね。こちらも、以前と同様でAタイプとBタイプがあります。

自動車検査証記録事項Aタイプ
自動車検査証記録事項Aタイプ
自動車検査証記録事項Bタイプ
自動車検査証記録事項Bタイプ
▷出典:いずれも国土交通省 電子車検証特設サイトより
【軽自動車の車検証カード及び自動車検査証記録事項】
軽自動車の車検証カード
軽自動車の自動車検査証記録事項
▷出典:いずれも軽自動車検査協会 軽自動車の車検 ウェブサイトより

自動車の手続きについて

ここでは、普通自動車の手続きの主な5つの登録を紹介します。

新規登録

新規登録は、以下の2種類あり、それぞれ必要書類が異なるので注意が必要です。
新車新規登録:車が生産されてから初めて登録する
中古新規登録:一度登録抹消済みとなった車を再度新規登録する

変更登録

以下の場合には、変更登録が必要となります。
・所有者の氏名や住所が変わった  ・車の使用場所が変わった  ・車の使用者が変わった など
なお、車の改造でも、変更登録が必要となる場合がありますので、注意しましょう。

移転登録

車の売買等で、所有者が移転する場合に、移転登録が必要となります。移転原因としては、売買や贈与、合併、相続など様々で、それぞれ必要書類が異なります。

抹消登録

抹消登録には以下の3つの種類があります。
一時抹消登録:一時的にナンバープレートを外す
永久抹消登録:解体処理済みなど、二度と車を使用できない状態
輸出抹消仮登録:車を輸出するための準備

更正登録

登録内容が間違っていた際に、修正する手続きのことです。

その他の手続き

上記の登録以外にも、以下のように様々な手続きがあります。
・所有者変更記録:抹消中の所有者を変更する
・輸出届出:抹消中に輸出する
・解体届:抹消後に解体した
・番号変更:登録番号を変更する
・番号交換:ナンバープレートの種類を変更する など

申請先はどこ?

【普通自動車の場合】
原則:使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等又は自動車検査登録事務所等※2
例外:継続車検、抹消中の手続き、車検ステッカーの再交付など⇒管轄じゃない運輸支局等や自動車検査登録事務所等でもできる
【軽自動車の場合】
原則:使用の本拠の位置を管轄する軽自動車検査協会等
※2 運輸支局等又は自動車検査登録事務所等とは?
運輸支局等とは、普通自動車の各種手続きが行える行政機関で、地方運輸局の支局のこと。
北九州の場合、北九州自動車検査登録事務所で、管轄地域は、北九州市、行橋市、豊前市、中間市、遠賀郡、京都郡、築上郡です。自動車検査登録事務所は、検査や登録のみを行います。

登録に必要な書類とは?

登録の種類によって必要な書類は異なりますが、ここでは代表的な書類を確認していきましょう。

自動車保管場所証明書

これが、車庫証明と呼ばれる書類です。原則として、普通自動車の登録を行う際に必要となります。この証明書の取得場所は、保管場所を管轄する警察署です。車庫証明については、また別の記事で注意点等を書きたいと思います。
自動車保管場所証明申請書

自動車検査証/車検証カード

車検証のことです。

自動車検査証記録事項

車検証カードのICタグ内に納められている車の情報です。自動車の登録手続きにおいては添付書類としては使用しませんが、電子車検証導入後3年ほどは、運輸支局等で車検証カードとともに交付されており、自動車税の手続きで使用されています。

譲渡証明書

新規登録や移転登録の際に、譲渡を証明するための書類です。この証明書には、実印を押します。移転登録の場合には、印鑑証明書も添付して実印かどうかを確認します。
譲渡証明書
▷出典:国土交通省 ウェブサイト 「譲渡証明書」 PDF

印鑑証明書

実印が本物かどうか証明するために必要になる書類です。

委任状

行政書士などの代理人が申請する場合に添付する書類です。

所在証明

以下のような場合に、本当にその使用の本拠で自動車を使うのかを確認するためのものです。公共料金の領収書や課税証明書などを提出します。
・自動車の使用場所の表示に変更がないとき
・車庫の申請が不要の場所で車庫証明を提出しないとき

希望番号予約済証

ナンバープレートの下4桁を好きな番号にできる制度があり、これは自動車の手続きの前に事前に申込を行います。人気のある番号は、抽選で行われ、毎週月曜日に結果が発表されます。申込み後、代金を支払うと、この予約済証をもらうことができます。

自動車検査登録印紙

登録手数料や検査手数料など、国に支払う手数料を払うための印紙です。

さいごに

この記事では、初めて自動車登録を行う方向けに、普通自動車と軽自動車の違いや車検証、必要な書類について詳しく解説しました。自動車登録は一見複雑に感じるかもしれませんが、事前に必要な情報をしっかりと把握しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。

今後も、自動車に関する手続きや注意点について、さらに詳しい情報を提供していく予定です。次回の記事では、車庫証明や具体的な手続きの流れについて掘り下げて解説していきますので、ぜひご期待ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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